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第四次産業革命に向けた競争政策の在り方に関する研究会報告書~Connected Industriesの実現に向けて~

第四次産業革命に向けた競争政策の在り方に関する研究会報告書~Connected Industriesの実現に向けて~」がでています。

趣旨としては「データの収集・蓄積(以下「 集積」という。)や活用の現状を俯瞰した上で、競争環境を整備してイノベーションを促進する観点から、どのようにデータの競争力を評価していくのか、今後どのような事態が想定されるのか、またそうした事態が生じた場合にどのような点に着目していくべきか」という点についての報告書になります。

報告書内容としては

(1)データ駆動社会における「競争の特質」(4頁から6頁)(まったく別のタイトルだけど、こういう感じのほうが分かりやすいとおもう)

(2) データ活用事業モデル(同7から12頁)

(3)競争政策の一般論(13頁から27頁)

(4)具体的な事例検討(28頁以下)

となります。

感想になりますが、(1)ないし(3)については、特に、新規なまとめではないので、特にどうのということを考えなくていいかとおもいます。

(4)についてですが、具体的な「市場」との関係で検討もらえると、もうすこし、具体的な感覚がつかめたかなとおもいます。

競争を語るのであれば、具体的な市場を離れては、競争の検討はありえないはずです。まさに、誰が需要者で、供給者は、だれで、その中で、データがどのような役割を果たしているのか、というのが、検討されるべきに思えます。(また、データ、データといっても、仕方がないですね。データには、個人データもあれば、患者のデータ、医療データもあります。ブルドーザーの機械のデータもあれば、AIの教師データもあります。苦労して翻訳したFCCの通知のデータについては、教えてあげたGoogle先生からお駄賃ほしいよね、というのもあるので、それらの性格ごとに法律問題も違うでしょう)。

データが、経済活動のなかで、どのような役割を果たしているのでしょうか。一つは、グーグルの宣伝モデルは、大きいですね。アマゾンのデータから、全消費行動の把握モデルもすごいでしょう。あとは、コマツのブルドーザーの効率化モデルもいいでしょう。ダビンチの手術データ独占モデルも面白いです。コグニティブAPI提供モデルは、どうかな。

こんな感じで考えると、おいしい市場を抑えるために、その競争力の根源であるデータを押さえるというのが、基本的な戦略ですね。そうだとするとそのベースとなるデータをいかにプロプライエタリな形で、「独占」するか、が政策の肝なのかもしれません。

法律的には、公正取引委員会競争政策研究センター「データと競争政策に関する検討会報告書」が、よくできています。近いうちに、検討して、エントリをあげたいです。

公共財(世耕大臣は「Connected Industries」を標語として、共有データを企業や産業の壁を超えて公共財のように持つというビジョン)とかいう考え方は、いま一つ、ピントがずれているように感じます。

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