個人の債務整理(任意整理)

個人にせよ、会社(法人)にせよ、債務超過状態に陥り、借金の返済が、恒常的に、ままならないという段階に至った場合に、最初に検討するのか、任意整理という手法です。

個人の任意整理は、受任通知の送付、債権調査、債権者との和解、和解の履行という段階を踏みます。

この受任通知を受け取ると、債権者は、直接、債務者本人に対して、履行の請求ができなくなるために、代理人である弁護士と交渉するしかなくなります。債務者は、いままで、債権者からの督促におびえていたのに、連絡がこなくなるという意味できわめてメリットを受けるということになります。

このような状態において検討される他の手続きとしては、破産・民事再生などの手法があります。

他の手法と比較した場合には、

・迅速な処理が可能であること

・手間等もかからないこと

などの特徴をゆうしています。また、債権調査の際になされる利息制限法にもとづいての引き直しの際に、債権額がきわめて減少したり、過払金が発生し、これを取り戻したりすることで、債務総額が、大幅に減少するということもありえます。

特に過払金については、従来の高い利息の取引期間の場合においては、6年程度で、債務がなくなることから、実際に取引経過を取り寄せて計算してみるということが必要になります。

この場合の費用関係については、1社あたり3万円の手数料で対応いたします。

 

僕が日本株投資にワクワクしない理由

http://markethack.net/archives/51942458.html

日本株が面白くないのは、って、いうのについて、前に「ネット投資と法律問題」という小論をかいたことがありました(ネット投資と法律問題 (情報ネットワークと法5)  掲載誌 法律のひろば 巻号数,掲載頁 54―10,p53 発行年月日 2001.10 ISSN 0916-9806 )。

自分としては、日本株は、まったく興味がなかったですし、全くもっていないのですが、それは、どういう理由なんだろうか、すこし、整理してみたいなあ、法律の仕組みと関連しているのであれば、それを書いてみるのもいいなあという軽いエッセイでした。

平成13年の夏に書いたエッセイでしたが、

(1)米国では、当時、1000ドルでもあれば、それなりのポートフォリオが組めてしまうのに対して、100万円でもポートフォリオが組めないことをなげきました。

わが国でも、大分、実情は、変わってきているのでしょうが、投資単位の引き下げというのは、どうなのでしょうか。

(2)経営者のスタンスの違いも明白で、株主優先であり、業績の向上のために大胆すぎるほど大胆なリストラを進める米国と、まずは雇用が大事と宣言する日本の違い、年に4回の業績発表が義務づけられており、投資家に対する業績発表がインターネットで同時に聞ける米国と、年2回の業績発表が一般であり、また、直接の発表をもとに売買すると内部者取引に反すると解される日本との違いが大きいということも指摘しました。

後者は、すぐに、米国並みの開示に変わりましたけど前者はどうでしょうか。

(3)私は、アメリカの法律事務所から、株式を保有していたアメリカの半導体会社の経営者に対してタイムリーディスクロージャー違反を理由とするクラスアクションに原告として参加しないかという訴状付きの手紙を受けたことがあるのですが、平成13年当時、適時開示違反の損害賠償や、クラスアクション制度の不存在は、大きな問題ではないか、というのを指摘しました。

適時開示に関しては、その後、わが国でも、流通市場における発行会社の責任規定と損害額の推定規定が設けられた平成16年の証券取引法改正が一契機となって、議論が盛んになりました。その後、西部鉄道事件(最高裁平成23年9月13日)とライブドア事件(機関投資家訴訟・平成24年3月13日など)で、具体的な損害賠償の道が開かれました。

消費者団体訴訟法(「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」)は、果たして、わが国における株主の被害の回復に、役立ってくれるのでしょうか。

この消費者団体訴訟は、まず、特定適格消費者団体でなければならないとされています。投資家が、このような消費者団体をもとに、団体訴訟を提起する時代になるのでしょうか。すこし勉強してみたいと思います。

こうやってみていくと、平成13年当時とは、日本の市場も大分、様相が変わっているようにもおえます。制度的なものは、関係者の努力も大きかったのかもしれません。

ただ、本質的なダイナミズムは、感じないのも事実ですね。

ヒーローがいるとか、という話もあるのでしょうけど、法律家的には、制度的なものが、証券市場の発展を邪魔していないのかというは、ウォッチしていきたいものですね。

 

wordpressのテーマ

このサイトは、wordpressで作成しています。ソーシャルボタンをつけたり、いわゆるパンくずをつけたりしているのですが、これがテーマによって、うまくいったり、いかなかったりしています。

法律家らしく、attorneyというテーマでつくると、ソーシャルボタンがうまく出ません。barristerというテーマもあるのですが、それだと、パンくずという、トップからのナビゲーションがでなかったりします。

デフォルトのテーマだと多分、問題ないのでしょうが、それも、なにか芸がないような気がしていて、もうすこし研究したいところです。が、いろいろと難しいところです。

サイバーセキュリティの定義

サイバーセキュリティ基本法の定義に よると、

「サイバーセキュリティ」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式(以下この条において「電磁的方式」という。)により記録され、又は発信され、伝送され、若しくは受信される情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置並びに情報システム及び情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保のために必要な措置(情報通信ネットワーク又は電磁的方式で作られた記録に係る記録媒体(以下「電磁的記録媒体」という。)を通じた電子計算機に対する不正な活動による被害の防止のために必要な措置を含む。)が講じられ、その状態が適切に維持管理されていることをいう。

ということになります。

この概念をどう位置づけるかということになります。

まず、現代における「サイバーオペレーション」などで議論されている実際にサイバー的な手法から引き起こされる実害の問題というのは、定義の外になっているということがいえます。(この点は、ITリサーチ・アートで、今後、細かく分析していくことにします)

まずは、コンピュータセキュリティの議論の、アクセス制御のなされたシステムのCIAを問題にしているということはいえるでしょう。

普通だと、機密性、インテグリティ、可用性を定義に使うところでしょうが、「情報の漏えい、滅失又は毀損の防止」を定義にもちいるところが、フェイントです。機密性だと、単なるハッキングでもアクセス制御侵害になるのですが、アクセスのみでは、基本法の対象にならないのか、とつっこまれるところです。あとは、改竄がはいってこないんですけど、というグチも聞けそうです。

ここで、逆に「セキュリティ」はセキュリティだと開き直って「安全性及び信頼性の確保のために必要な措置」ということで、セキュリティ措置がほどこされている仕組みの保護がうたわれます。これは、これで、上の思いつきのような定義を風呂敷のように包むものということができるでしょう。

経済産業省では、いまのところ、情報システム安全対策基準の定義が包括的でしょうか。「情報システム安全対策基準」では、「情報システムの機密性、保全性及び可用性を確保することを目的として」います。このようなほうがすっきりしているような気がします。議員立法としても、そのマッチングをみていてもいいかと思います。

総務省的にも、通信の信頼性として、漏洩の防止と否認防止性の確保を定義にいれても、いいかと思います。

議員立法だからといって、各省庁のいままでの行いとのマッチングがとれてなくてもいいのかなあ、と思ったりします。

頼まれたら、会社のロビイングの相当フィーの額をお支払いいただければ、コメントと改正のサジェストはいたします。議員さんには、厳しいのでしょうけど、日本の法律がそのようなレベルでいいのかという話は残り そうです。

 

 

 

価値記録の概念

ビットコインに関してJADAという団体ができたそうです。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/102301594/

「価値記録」(価値を持つ電磁的記録の意味) というのは、センスがないです。

通貨のキモは、転々流通性で、譲り受けた人が、不特定第三者に譲れるか、ということです。

たとえば、シルクロード事件とか、がありますが、あれは、まさに上記の転々流通性が引き起こした問題です。電子マネーも価値をもつ電磁的記録なので、この概念だとそれを排除することができません。定義論は、議論のアルファのようにおもえますが、実は、何をいれて、何をはずすか、問題はなにから起きるかということを検討した上で、定められるものです。その意味で、このような不十分な定義は、議論として、きちんとした考察を経ているのか、議論の説得性の問題を生じさせるということを考えるべきでしょう。

法執行との関係

刑事事件においては、証拠能力自体について、厳密な定めがあります。

この点については、わが国の証拠法制に関して、また、別の機会で投稿しましょう。

厳密な学問的な議論はさて置くとしても、刑事事件において、米国でおこなわれているようなデジタル・フォレンジックスの手続に則って証拠が収集・分析・提示されるのが望ましいのは、いうまでもありません。そして、わが国においても、実際にそのような方向で実務が整備されつつあるということができます。

もっとも、厳密にデジタル証拠に関して、伝聞証拠法則との関係で、どのようなことがいえるか、ということは法的に重要なことである。

これらの点については、大学の後輩でもあった石井教授の資料を参照されるといいと思います。石井徹哉「刑事法からみたデジタルフォレンジックス(DF)と今後の展望」があります。

ハッカー検事が大学の先輩、石井教授が、大学の後輩で、みんな大学の時代からの知り合いというのも世界は狭いものです。

ソフトウエアフォレンジックス

ソフトウエアの挙動を分析して、作成者の意図、動作、脆弱性の存在、実際の動作の仕組み、結果の発生の因果などの情報についての収集、加工、統合、分析、評価、解釈をする分野をソフトウエアフォレンジックスということができます。

このような作業のために利用されるのが、リバース・エンジニアリングという技術です。「リバースエンジニアリング」は、最広義においては、ソフトウエアやハードウエアなどを分解、あるいは解析し、その仕組みや仕様、目的、構成部品、要素技術などを明らかにすることをいうとされています。この技術の重要性および社会的位置づけについて、私の経営している会社でIPAからの委託をうけて研究していますので、紹介しておきます。
「情報セキュリティに関連するソフトウェアの取扱いに係る法律上の位置付けに関する調査」です。

ソフトウエアの作者の意図が法的に問題になりうることは、意外とありうるということがいえるでしょう。

例えば、サイバー犯罪条約6条1項 デバイスの禁止は、

「1 締約国は、権限なしに故意に行われる次の行為を自国の国内法上の犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
a 第2条から前条までの規定に従って定められる犯罪を行うために使用する意図をもって、次のものを製造し、販売し、使用のために調達し、輸入し、配布し又はその他の方法によって利用可能とすること。 」と定めています。この文言からも明らかなように、プログラムが、犯罪を行うために使用する意図をもって作成されなければならないのです。

また、我が国では、Winny作者が刑事罰に問われたという裁判でも、どのような意図で作成されたのかが問題とされました。

第一審(京都地裁判決・平成18年12月13日)では、被告人と関係者間のメール送受信の状況等として姉とのメールのやりとり、ホームページでの記載事項、事情聴取の際の発言をもとに、「被告人自身が述べるところやE供述等からも明らかなように,それ自体はセンターサーバを必要としないP2P技術の一つとしてさまざまな分野に応用可能で有意義なものであって,被告人がいかなる目的の下に開発したかにかかわらず,技術それ自体は価値中立的」という認定がされています。

高裁判決(大阪高判・平成21年10月 8日)では、匿名性機能、ダウンロード枠増加機能、クラスタ化機能、被参照畳閲覧機能、多重ダウンロード幾能などの機能は、ファイルの検索や転送の効率化を図るとともにネットワーク-の負荷を低涙させる機能,技術であり.その機能自体において.違法視されるべき技術でないということを理由に、「その技術.機能を見ると著作権侵害に特化したものではなくW innyは価値中立のソフトすなわち.多様な情報の交換を通信の秘密を保持しつつ効率的に可能にする有用性があるとともに、著作権の侵害にも用い得るという価値中立のソフトであると認めるのが相当」と判断しています。

Winnyは、作者がどのような意図で、どのようなコードを書いたのかという観点からするとき、事実認定としては、コードそれ自体を巡って争われたわけではない、というのが、事実究明という点からは、残念に思えます。もっとも、コード自体を争った時には、公開される裁判を通じてWinnyのプログラムが一般に明らかになるということもあったのもしれません。

小説については、その文章をもとに、その作者の意図を論じるのであるから、ソフトウエアについても同様のことがなされるべきではありますが、実際には、いろいろいな困難があるということでしょうか。

インターネットフォレンジックス

ネットワークでのトラフィックの分析等によりサイバースペースの脅威に関する情報の収集、加工、統合、分析、評価、解釈をする行為をインターネットフォレンジックスということができるでしょう。そのような情報の統合的理解をする分野もフォレンジックの有望な分野であるということができます。

サイバースペースの脅威に関する情報の収集、加工、統合、分析、評価、解釈自体は、サイバーインテリジェンスということができますが、それを、法的証拠という視点から見るときの用語であるということができるでしょう。

これらの分野には、ウィルス作成者やハッカーの行動や議論を追跡すべく、アンダーグラウンドの彼らのコミュニティにいわば「潜伏」して、彼らの情報に対して諜報活動を行う手法もあります。かれらのデータ通信をモニタリングし、また、会議などもモニタリングしています。

これらの活動によって得られた情報は、きわめて鮮度の高い情報ということになり、予測・予防・調査のために役立てられる程度はきわめて大きいということができるでしょう。しかしながら、我が国において、これらの手法の重要性は、看過されているということができるでしょう。私は、2000年代前半に、このようなサービスを提供しているアメリカのプロバイダにインタビューしたところ、日本だけは、進出に失敗した、需要を全く喚起できなかったということをきいたことがあります。

訴訟支援

フォレンジックスという技術は、証拠の取得や分析一般などまで広がるものであり、一般に訴訟支援といわれる分野となってきます。

e-ディスカバリーの分野とも関連しており、これらの分野は、フォレンジックスという分野の外縁をなしているということができるでしょう。

大まかにいえば、ひとつの事案を取り巻くデジタルデータが、細かいところまでみていくのが、フォレンジックス、大きく見て、関連しているものを早急にみつけだして、その中身を分析するのが、e-ディスカバリーのイメージしもしれません。(これは、大雑把なイメージなので、正確ではありません)

EDRM(e-discovery リファレンス モデル)が公表されており、膨大なデータから、特定の事案に関連するドキュメントを抽出する作業の標準的な手順が標準化されています。

この具体的な内容については、また、詳しく投稿しますが、この分野が、現在、きわめて大きなビジネスとなりつつあることは留意しておく必要があるでしょう。