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虎に翼の「法廷衣装」(明治大学 特別展示)

自分でいうのもなんですが、英国の法廷衣装については、私が第一人者であると自負していたところです(「英国法廷衣装こぼれ話」を執筆したのはすでに30年前になりました)が、わが国の法廷衣装については、戦前は唐草模様があって、その色が、裁判官、検察官、弁護士で違っていたんだよね(赤、白、青)ということくらいしか知らなかったところです。

先日、明治大学でドイツからのお友達を、ぱうぜ先生とご一緒に勉強会・花見を開催して、歓迎したところ、そういえば、「虎に翼」の主人公の勉強する大学は、明治大学だよなあと思って調べたところ、博物館で、「虎に翼」の特別展示をしているということなので、訪問してきました。

入り口は、こんな感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、法服の展示です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラマのオープニングテーマのところでも法服を着た虎子のアニメがでていますので、象徴的なものといえるかと思います。時代考証も、きっちりされているはずとのことですので、この衣装もきわめて正確なものと思われます。(というか、NHK の調査能力は、すごいですからね)

ところで日本の法廷衣装について、検索してみたら、安蔵裕子「昭和女子大学光葉博物館所蔵 「弁護士の法服」について」(リンク)があるのに気がつきました。(學苑 en : GAKUEN

巻 887, p. 62-73, 発行日 2014-09-01)

私としては、日本の法廷衣装に関するきちんとした論文は初めてでしたので、非常に勉強になりました。上でふれた唐草模様の色ですが、実は、勅令第 260号(明治 23年 10月)によること、そししてその色は、裁判官が、深紫・検察官が、深緋、弁護士か白、ということを、今回確認できました。修習生のバッジのトリコロールがこれに対応しているのだろうと思います(ちなみにこの点は、昭和32年11月にさだめられたそうで、このブログが詳しいです)。

あと、制定時の新聞記事とか、三越の広告(「裁判官堅持初期諸君に告」)とか、さらに、聖徳太子像の姿とも異なるとか、本当に面白いです。服飾的には

  • 竪襟
  • 西欧のチュニックから発展宗教服の系統の影響
  • 比翼仕立

などの考察がされています。

あと、授業についての紹介記事は、こちら。

ということでNHKさんには、ぜひとも、この分析のショートコーナーを希望します。

 

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