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「サイバーセキュリティー人材、共同雇用する構想 」という記事が出ています。
この記事をいつもの情報セキュリティという視点(このような場合は、ITリサーチ・アートのほうに書きます)ではなくて、独占禁止法の問題としてみてみましょう。セキュリティ専門家の雇用という市場において雇用主が、その労働条件等について合意をなすことは、カルテル的な意味を持ちます。効果としては、報酬の低下、結果として、当該分野の魅力の低下を引き起こします。
では、これが、独占禁止法上、違法になるかということから考えると、グーグル・アップルの引き抜き禁止協定についての記事が参考になります。「米IT大手の「引き抜き防止契約」日本では許される?」という記事です。
この記事は、しかしながら、労働市場について、独占禁止法って適用されるのかな、という点について検討しておくべきだったように思います。
この話は、米国のドラフト制度の議論が参考になります。その点については、こんな記事もあります。「日本スポーツ法学会・第2回スポーツ契約等研究専門委員会にて研究発表」ですが、「法律に基づかない独占禁止法の適用除外(Non Statutory Labor Exemption)」という理論が紹介されています。
労働法と独占禁止法については、別の投稿にしますが、安易に市場閉鎖の発想が出てくるところに、問題があるなあ、感覚が、古いよね、という感想を持ちましたね。