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英国CMAの グーグルとメタとの「ジェダイ・ブルー」協定についての調査が2022年3月11日に開始されています。
そのプレスリリースは、こちら(「CMAは、グーグルとメタのアドテク懸念へ調査」)です。競争市場庁(CMA)は、両社がヘッダー入札サービスの取り込みを制限・阻止したかどうか、また、グーグルがこの分野で自社製品と競合する他社の能力にも影響を与えたかどうかに着目しています。プレスリリースは、
からはじまっています。CMAは、調査の一環として、GoogleとMeta(旧Facebook)の間の合意(Google内部で「Jedi Blue」とコードネームで呼ばれていた)が法律を破ったかどうかを検討する予定である。また、CMAは、グーグルが支配的地位を乱用し、同様のサービスを提供しようとする競合他社に対して不当な優位性を獲得したかどうかを確認するため、ヘッダー入札サービスに関するグーグルの行為をより広く調査しているとされています。
ここで、Jedi Blueという言葉が出てきていますが、これについての記事(「Googleがインターネット広告市場を独占するための施策「ジェダイ・ブルー」や「Project NERA」の詳細が明らかに」)が参考になります。
欧州委員会は、GoogleとMetaの契約について独自の調査を開始し、また、この契約は、テキサス州(およびその他の米国州)が現在米国裁判所に提訴している対象でもあります。
このジェダイ・ブルーは、ヘッダー入札におけるグーグルとメタの協定ということになります。
ヘッダー入札は、ニュース出版社などの売り手が、オンライン広告スペースを、一つずつオファーを受けるのではなく、同時に複数の買い手に提供することを可能にするサービスです。買い手である広告主は広告枠を巡って競争し、売り手は複数の買い手からの入札を同時に比較検討することができます。このようなバイヤー間の競争により、オークションの競争力を高めることができるのです。
この部分の図を示すことができます。
テキサス州の訴状などをみるときに、ヘッダー入札における競争に関して、Facebookは、Googleに競争の脅威をちらつかせることで、パブリッシャーのオークションを自社に有利になるように操作するための取引を行うことにしたというものでした。 最終的に、Facebookは、Googleが米国で毎月行っているパブリッシャーのモバイルアプリ広告在庫のオークション(約430億件)において、情報、スピード、その他の優位性をFacebookに与える代わりに、ヘッダー入札への関与を縮小させたのです。この契約の一環として、グーグルとフェイスブックは、アップル製品を使用しているユーザーを特定するために協力することになりました。また、Facebookがパブリッシャーのオークションを落札する頻度の割当についても事前に合意しており、最低支出額とFacebookが入札・落札する頻度の割当で文字通りオークション(このオークションでは、FacebookとGoogleが入札者として真っ向から競い合う)を操作しています。
これらに関する取引きについてのグーグルの社内コードネームは「ジェダイ・ブルー」で、スターウォーズにちなんでいます。
CMAの最高責任者であるAndrea Coscelliは、次のように述べています。
我々は、グーグルがメタ社と提携し、出版社に重要なオンラインディスプレイ広告サービスを提供している競合他社に障害を与えている可能性があることを懸念しています。
一社が特定の分野を独占すれば、新興企業や中小企業が市場に参入することが難しくなり、結果的に顧客の選択肢を減らすことになりかねません。
我々は、Digital Markets Unitの権限を待っている間、大手ハイテク企業の行動を精査することから逃げず、世界の規制当局と緊密に連携して、可能な限り最高の結果を得るように努力するつもりです。
これはCMAの調査の始まりに過ぎないため、GoogleやMetaが法律に違反したかどうかについての判断は下していません。
とされています。今後の調査の進行が興味深いところです。