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イギリス競争市場庁(CMA)「オンラインプラットフォームとデジタル広告-市場研究最終報告」(2020)

オンラインプラットフォームが、広告市場に及ぼす影響について「プライバシーサンドボックス、FLoC、FLEDGEとは、何か?」「競争の武器としての「プライバシーのダークサイド」(Facebookの決算を見る)」などでみてきました。

これらの基礎組織をもとにして、法の世界がどのように考えているのか、または、考えるべきなのかをみていきたいと思っています。まずは、英国の動きです。もっとも、デジタル広告に関しては、我が国でも公正取引委員会「デジタル広告分野の取引実態に関する最終報告書」や内閣官房デジタル市場競争本部事務局「デジタル広告市場の競争評価 最終報告」がでていること、また、同じテーマでオーストラリアでの「デジタル広告サービス諮問 最終報告」(Digital advertising services inquiry Final report August 2021)もでていて(リンク)、世界的な注目の論点となっているということがいえるでしょう。

英国のこの分野についての一番まとまっている報告は、英国 競争市場庁(Competition and Markets Authority)の「オンラインプラットフォームとデジタル広告-市場研究最終報告」(Online platforms and digital advertising Market study final report )(2020年7月1日)になるかと思います。リンクは、こちらです。以下、CMA報告書といいます。

この報告書に至るまでの経緯は、

Digital Competition Expert Panel (Furman Review):(2019年3月)

Cairncross Reviewa sustainable future for journalism(2019年2月)

House of Lords Select Committee on Communications(2019年3月)

Which?Control, Alt or Delete? The future of consumer data(2018年6月)があります。特に、Digital Competition Expert Panel (Furman Review):は、このCMA報告書でも頻繁に引用されています。

CMA報告書ですが、付録がたくさんついています。付録の一覧でいくと

  • 最終報告書(1.7.20)
  • 付録A:法的枠組み (1.7.20)
  • 付録B:中間報告書のコンサルテーションに対する回答の概要 (1.7.20)
  • 付録C:市場の成果(1.7.20)
  • 付録D:GoogleとFacebookの収益性(1.7.20)
  • 付録E: グーグルとフェイスブックのエコシステム (1.7.20)
  • 付録F:デジタル広告におけるデータの役割(1.7.20)
  • 付録G:デジタル広告におけるトラッキングの役割(1.7.20)
  • 付録H:検索におけるデフォルトポジション(1.7.20)
  • 付録I:検索品質と規模の経済(1.7.20)
  • 付録J:FacebookプラットフォームとAPIアクセス(1.7.20)
  • 付録K:プラットフォームのデータ収集に対する消費者のコントロール(1.7.20)
  • 付録L:消費者の態度と行動に関する研究のまとめ(1.7.20)
  • 付録M:オープンディスプレイ広告における仲介(1.7.20)
  • 付録N:デジタル広告に対する広告主の需要の理解 (1.7.20)
  • 付録O:デジタル広告における測定の問題(1.7.20)
  • 付録P:専門的な検索(1.7.20)
  • 付録Q:マーケットパワーの活用 (1.7.20)
  • 付録R:アドテクスタックにおける料金(1.7.20)
  • 付録S:大規模なデジタルプラットフォームとパブリッシャーの関係(1.7.20)
  • 付録T:データリメディを評価するための我々のアプローチ(1.7.20)
  • 付録U:行動規範の裏付けとなる証拠(1.7.20)
  • 付録V:一般的な検索における競争促進のための介入の評価(1.7.20)
  • 付録W:ソーシャルメディアにおける競争促進のための介入の評価(1.7.20)
  • 付録X:パーソナライズされた広告に対する消費者の選択を可能にする競争促進のための介入の評価 (1.7.20)
  • 付録Y:選択アーキテクチャとフェアネス・バイ・デザイン(1.7.20)
  • 付録Z:デジタル広告市場におけるデータ関連介入の可能性の評価(1.7.20)
  • 付録ZA:オープンディスプレイ広告における市場支配力に対処するための潜在的な競争促進介入の評価 (1.7.20)
  • 用語集(1.7.20)
  • ジグソー・リサーチが作成した定性調査報告書(1.7.20)
    プレスリリースはこちら テックジャイアントに対抗するためには新たな体制が必要(1.7.20)
  • プレゼンテーションスライド:最終報告書の概要(1.10.20)

となっています。ということで、これの全部に格闘するのは、なかなか大変そうですが、まずは、最終報告書から、みていきたいと思います。

最終報告書の構成

最終報告書の構成です。具体的には、

要約

  1. 概観
  2. 消費者サービスにおける競争
  3. データに対する消費者のコントロール
  4. デジタル広告の競争
  5. 弱い競争からの消費者へのハーム
  6. 競争促進規制レジームの事案
  7. 検索、ソーシャルメディア、デジタル広告への介入
  8. 市場調査参照の決定
  9. 今後のCMAの作業

になります。

最初の要約(ボックス)になります。

デジタル広告によって運営されているプラットフォームは、非常に価値の高いサービスを提供しています。瞬時に情報を得たり、世界中の家族や友人とつながったりすることができます。グーグルとフェイスブックは英国のインターネットユーザーのオンライン時間の3分の1以上がこれらのサイトを利用しています。Googleは英国の73億ポンドの検索広告市場で90%以上のシェアを占めています。Facebookは55億ポンドのディスプレイ広告市場の50%以上を占めています。両社とも、長年にわたって高い収益性を誇っています。

グーグルもフェイスブックも、ライバルよりも優れた製品を提供することで成長してきました。しかし、現在では、ネットワーク効果や規模の経済、ユーザーデータへの圧倒的なアクセスなど、既存の強力な優位性に守られており、潜在的なライバルはもはや対等に競争することができません。これらの問題は消費者にとっても重要です。検索やソーシャルメディアにおける競争が弱いと、イノベーションや選択肢が減り、消費者が望む以上のデータを提供することになります。デジタル広告における競争の弱さは、経済全体の商品やサービスの価格を上昇させ、新聞社などが価値あるコンテンツを制作する能力を損ないます。また、新聞社などが価値あるコンテンツを制作する能力を損ない、社会全体に悪影響を及ぼしています。

これらの市場で確認された懸念は非常に広範囲で自己強化的なものであり、我々の既存の権限では対処できません。私たちは、市場支配力の源泉とその影響の両方に対処するために迅速に行動する権限を持ち、証拠や市場環境の変化に照らして介入を監視・調整できる専門の規制当局を持つことです。

したがって、私たちは、政府がオンライン・プラットフォームに対して競争促進のための規制体制を確立することを提言します。デジタル・マーケット・ユニット(DMU)は、市場支配力を持つプラットフォームの行動を管理するための行動規範を施行する権限が与えられます。これにより、競争に取り返しのつかない損害が発生する前に、懸念事項に迅速に対処することができます。
また、DMUは、市場支配力の原因に対処し、競争を促進するための権限を有します。相互運用性を高め、データへのアクセスを提供し、消費者の選択肢を増やし、必要に応じてプラットフォームの解散を命じる権限を持つべきです。必要に応じて、プラットフォームの解体を命じる権限を持つべきです。

私たちは、DMUは、GoogleとFacebookの市場支配力に対抗するために、この制度の下でさまざまな介入を行うことができます。例えば、グーグルに対して、データをライバルの検索エンジンに開放することや、オープンなディスプレイ広告事業を分離することを命令することなどです。Facebookに対しては、競合するソーシャルメディアとの相互運用性を高めることや、パーソナライズされた広告を受け取るかどうかを消費者が選択できるようにすることなどを求めます。
また、パーソナライズされた広告を受け取るかどうかを消費者が選択できるようにすることも求めています。現在、デジタルマーケットタスクフォースを通じて、この競争促進のための規制体制の構築について、さらなるアドバイスを行っています。

このボックスのあとに、要約として、3-34までの要約か続きます。この要約は、本文(35-437)に対応しています。

要約

————————————–

(便宜的に番号を振ります)

1 序

この報告書では、インターネット検索、ソーシャルメディア、ニュースジャーナリズムを含む、消費者にとって、きわめて価値のあるサーズ、コンテンツの規定におげくデジタル広告の重要な役割についてふれており、そして、消費者は、対価をそれ自体には支払わないが、消費者の興味を用いてターゲットされた広告でもって資金を提供されていること(パラグラフ1-以下、1)、デジタル広告の主たるタイプは、検索広告、ディスプレイ広告になること、そして、グーグルが検索広告のほとんどを提供しており、フェースブックは、ディスプレイ広告で強い地位を占めていること占めていること、「公開されたディスプレイ市場」において、公表者は、広告主に広告在庫を販売していること(2)が紹介されている。

範囲と目的

この報告書は、

  • 検索とソーシャルメディアにおいて、GoogleとFacebookがどの程度の市場支配力を持っているか、また、その市場支配力の源泉は何か。
  • 消費者は、オンライン・プラットフォームによる自分のデータの使用を適切にコントロールできるかどうか、そして
  • 透明性の欠如、利益相反、市場勢力の活用がデジタル広告の競争を弱めていないか。

という問題にフォーカスしていること(3)、Furman and Stigler Center reviewsによってなされた広範囲な議論をもとに、現在の競争法が不十分であるという議論の結論がなされており、政府が、デジタル市場における競争を活性化するための戦略的な推奨事項を採用し、デジタル市場タスクフォースを推進するようにCMAにも止めたこと(4)、CMAは、この動きを歓迎し、正式にタスクフォースを開始したこと(5)がふれられています。

消費者への重要性(Why do these issues matter for consumers? )

デジタル広告によって支えられているコンテンツに対して直接支払をしていないものの、競争が機能していないければ、ハームに耐えなければならないこと(6)、競争上の問題は、消費者にとって、イノベーションを阻害し、消費者にとって新しい価値あるサービスを妨げること-新規参入が障壁にらって妨げられているといえること(7)、検索やソーシャルメディアのサービスは、「ただ」のようにみえても、広告の収支から間接的に支払われており、デジタル広告のコストは、一家庭あたり、500ポンドになり、商品やサービスの価格に反映していること(8)、グーグルやフェースブックは、市場支配力を有していることを知イヴ差は示していること(10)、オンラインプラットフォームに対して、消費者の興味や個人データの利用に対しての補償(compensation )が不十分であることをもたらしている(11)、競争の不十分さは、個人データがどのように利用されるかというについてコントロールすることができなくなっていること(12)、デジタル広告によって支えられるオンラインプラットフォームに関して懸念があるので、権威のあり信頼できるニロースメディアの衰退を通じてより広範な社会的、政治的、文化的ハームが生じること(14)、があげられています。

2 事実認定(What are our findings?)

市場のサイズおよび供給のシェア

この部分の図は、以下のとおりになります(16)。

 

 

 

 

 

 

 

 

広告代理店や広告者は、検索広告とディスプレイ広告は、代替性があるわけではなく、それは、それぞれの役割が異なることによるとしている。検索は、購入について興味を示している消費者に対して興味ベースをもつ広告であり、一方、ディスプレイ広告は、ブランド認知を高めて、新しい顧客を獲得するために行われること(17)、グーグルが検索シェアで90%を占め、2019年の検索広告の90%以上を占めること、競争者は、Bing のみであること(18)、Facebook(インスタグラムを含む)は、ディスプレイ広告の半分以上を占めること、ライバルは、YouTubeである(5%から10%)こと(20)、大きいことは悪いことではないこと、大きな市場シェアを有していたことしても、その地位を維持するために競争圧力をさらされている必要があること(21)、数年にわたって、重要な変化がなされていないこと、有効な競争が脅かされていると認識しています、具体的には、

  • ネットワーク効果と規模の経済
  •  消費者の意思決定とデフォルトの力
  •  ユーザーデータへの不平等なアクセス
  •  透明性の欠如
  •  生態系の重要性
  •  垂直統合とそれに伴う利益相反。

を認識しています。そして、これらは、相互に補強していること(22)があげられている。

ネットワーク効果と規模の経済

サービスの利用者が増加するのとともにサービスの価値が増加する。 これは、プラットフォームが一定の規模に達した場合には、効果的に新規参入が起きにくいことを示している(23)。検索に関しては、インターネットの関心の「図」をつくることが必要であり、これは、重大な規模の経済に従う(24)。滅多にない質問(「尻尾」の検索-‘tail’ queries)にたいしては、規模の経済が特に必要になること(25-27)、ソーシャルメディアネットホークは、強固なネットワーク効果によって特徴づけられていること、これは、さらに開発者とコンテンツ・プロバイダーを引きつけること(28)、インスタグラムを除いて、スナップチャットやティクトックは、ディスプレイ広告の提供における重要な規模にたっしていない(30)。ライバルのソーシェルメディアプラットフォームは、フェースブックにとって重要な競争的な脅威になっていない(30)。

 消費者の意思決定とデフォルトの力

消費者は、時間を無駄にしたくないという傾向から、提示されたデフォルトの選択肢を受け入れること(31)、時いう飛車のデフォルトの行動が、検索とソーシャルメディアにおける競争の形に深い影響を与えていることを認める。第一に、デフォルトは、消費者の検索エンジンの使用に影響を与える非常に重要な役割を果たしている。第二に、デフォルトの設定と消費者への選択肢の提示方法は 第二に、デフォルト設定と消費者への選択肢の提示方法は、プラットフォーム、特にソーシャルメディア・プラットフォームがユーザーに関するデータを収集する能力に大きな影響を与る(32)。検索では、グーグルが、アップルなどと検索広告の収入をシェアする契約を締結していること(33)、デバイスとブラウザにおけるデフォルトの地位は、他の検索エンジンに対して、参入障壁となってること(34)、個人データは、利用者が深く気にするが、消費者は、十分なコントロールを有しておらず、これは、プラットフォームの選択の制限、デフォルトの利用、選択のアーキテクチャアによることである(35)。受入いない限り利用できない(take-it-or leave-it model)モデルは、フェースブックやインスタグラムも含んで特に、ソーシャルメディアでは一般的である。検索エンジンでは、個人向けの広告をオプトアウトできる(36)。CMAは、プラットフォームのサービス設計(choice architecture)やデフォルトの利用が、消費者のインフォームド・チェイスの能力を妨げている例を認めている(37)。利用者がプライバシーセッティングを利用する者は、非常に少数(only a very small percentage )であること(38)。プラットフォームのプライバシー条件が長く、複雑であることなどがあり、

Googleのプライバシーページへの平均訪問時間はわずか47秒で、85%の訪問時間は10秒未満でした(39)。

結局、デフォルト値に単純に合意するだけであって、それらは、プラットフォームによって設定されること(40)が論じられています。

ユーザーデータへの不平等なアクセス

グーグルやフェースブックは、広告においてターゲットするのにも、効果を測定するのにも重要なデータにアクセスしうることから、重大な競争的優位な地位を占めていること(41)、グーグルは、ユーザと関連する50以上のサービス、モバイルデバイス、(タグなどの)サードパーティに設置する分析技術という三つのルートからユーザのデータを収集していること、フェースブックは、フェースブック、インスタグラム、ボッツアップというサービスやピクセルというサードパーティの分析技術からユーザデータを収集する(42)。グーグルは、深い選択肢の提供能力、フェースブックは、属性、興味、場所に基づく特定の利用者に絞って広告を提供する能力がある(43)。広告主と公表者に対して、ターゲットされたデジタル広告に用いられるデータが重要であることを示唆しており、2019年のグーグルのトライアルによれば、公表者は、もし、パーソナル化された広告が用いられなくなれば、70%未満の収入であると分析される(44)。広告の有効性を測定する能力は、広告者が、公表者とプラットフォームの間で費用をどう分配するかという決定を決定するのに重要であること、グーグルタグとフェースブック・ピクセルは、広く利用されていること(45)、GDPRが、サードパーティにとって価値あるデータにアクセスするのを制限するための正当化根拠にされていること、データの有利性を強化し、市場支配力を確立していること(46)、プラットフォームは、デジタルエコノミーにおいて重要な「ゲートキーパー」としての役割を果たしており、データ保護の准規制能力をもち、他の市場参加者にたいしてもルールを設定していること、サードパーティクッキーをクロームブラウザでフェーズアウトしていくという発表は、この重要な例であること(47)が認められています。CMAは、プラットフォームは、自分の競争を塹壕で囲い込む(entrench)方法で、データ保護規制を解釈するインセンティブを有する(48)。

透明性の欠如

デジタル広告で成り立っているオンライン・プラットフォームの重要な機能の一つは、ユーザーがプラットフォームを利用する際に、そのユーザーを識別し、ターゲットを絞ることができることであり、「ブラックボックス」的な意思決定に依存することになり、市場参加者は、意思決定がどのように行われているかを理解したり、異議を唱えたりすることが難しく、効果的な選択を行うことができなくなること(49)、プラットフォームは、広告主が支払う広告在庫(advertising inventory)に対して支払う価格について広い裁量を有していること、そして、自動ツールを用いるのも多いこと(50)、アルゴリズムの変更で、新聞サイトへのトラフィックが急減してしまうのを懸念していること(51)、不透明な広告のアルゴリズムへの依存は、市場の作用についての伝統的な概念に対しての根本的な課題を突きつけていること(52)、フェースブックもグーグルも自らの在庫の十分な独立した検証を認めていないために、グーグルとフェースブックは、「自分で宿題を採点する」ことができ、競争を弱め、結局広告主が支払いすぎをしてしまうことにもなりかねない(53)。広告の欠如は、特に、オープンディスプレイ市場において、公表者と広告主が媒体者にリアルタイム入札と広告配信を委ねているところでは、重大な問題である(54)。透明性の欠如は、幾つかの種々の競争問題を作り、悪化させること、プラットフォームは、広告の質と効果を強調し、価格を上昇させるインセンティブがあるなどがふれられています(55)。

生態系(エコシステム)の重要性

グーグルやフェースブックの特徴は、「エコシステム」を構築していることといえる(56)。広範囲な製品・サービスの統合は、効率的な節約をなしうるし、消費者の経験を相対的に向上する一方で、競争上の懸念もある(57)。下流市場や近隣市場に対して、テコを使えること、専門家した検索(旅行代理店やか各比較サイトなど)において、競争を脅かしていること(58)、エコシステムを利益のでるサービスを保護するためにエコシステムを利用していること、グーグルとフェースブックは、消費者の興味とデータという二つの重要なインプットを収集することができる、これは、広告の収入となり、強力な地位を固めるフィードバックループを構築することができる(60)。

垂直統合とそれに伴う利益相反。

広告による資金付けがなされているすべてのプラットフォームは、統合された販売機能として垂直統合されていると考えられる。これは「所有運営」在庫(‘owned and operated’ inventory.)と呼ばれている。一方、オープンでぃすぷれい市場は、公表者とコンテンツプロバイダーが広告在庫を販売しようと競争し、サードパーティ媒介者・交換者を利用している(61)。オープンディスプレイ市場においても垂直統合がなされており、利益相反を生みかねない(62)。

構造は、以下の図のようになります。英国でも、グーグルのシェアがきわめて高いことになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

購入サイドというのは、例えば、広告主としての駒澤綜合法律事務所は、「世田谷区 弁護士、離婚」と検索すれば、「駒澤綜合法律事務所」と出るようにグーグルから、広告を購入するわけです。(離婚相談、遺産分割が、取扱案件として多いです。よろしくです)。いわゆるグーグル広告(Google Ads)といわれるものです。

販売サイドというのは、「競争の武器としての「プライバシーのダークサイド」(Facebookの決算を見る)」でもふれましたが、そのコンテンツなどの広告販売スペースを広告に売り出すわけです。でもって、このようなブログ記事をみてもらえれば、ビューあたりいくら、広告をクリックしてもらえれば、いくと、ということで広告の販売主のところに収入がはいります。これがネットのエコシステムということになります。

ところでCMAによると、グーグルは、オープンディスプレイ広告での市場支配力を有するとされており、これは、検索の棚浚い、ティスプレイ広告、関連する広告主の大規模な基盤/ユーザのデータ/ダブルクリックの取得などによる媒介における強固な地位によるものです(64)。ここでの懸念は

  • グーグルは、需要家サイドプロバイダーとしての地位を構築するために、検索と、広範囲なエコシステムを利用することが可能であったこと
  • 媒介のバリューチェーンにおいて、グーグルの強い立場は、明確に利益相反を生んでいること

があげられます(65、66)。これらの懸念に対してグーグルは、対応しているとするが、透明性を欠くために公表者や広告主は、それを確認できないこと(67)、グーグルは、公表者広告サーバー、販売サービスプロバイダー、需要サービスプロバイダーとしての強いポジションがあり、明確に利益相反があること(68)があげられています。

3 プラットフォームに対する競争促進的な規制体制

この研究における証拠によって、CMAは、競争促進的な事前規制レジーム(pro-competition ex ante regulatory regime)を発展させるのを求められる事件であると信じました(69)。ここで、「競争促進的」というのは、参入/拡大障壁に打ち勝ち、市場支配力の源泉と格闘し、イノベーションを押し進めるということです。搾取的・排除的な実際や、トラストや透明性を減少させそうな実際に従事させないことを確実にすることによって競争と消費者を守るということです(70)。ネットワーク効果と消費者のデフォルト行動が、依存への途へと至り、プラットフォームが、市場支配力を強化し増大させています(71)。

CMAは、現時点におけるツールは、ここの行為や懸念に対しての執行であり、競争を守るためには十分ではないと認識しています。また、変動が速く、これらの問題は、広範囲で、複雑で急速に進化しています。問題に対処するには、焦点をあわせ続ける必要があり、モニタリングや介入を修正する能力が求められます(72)。

これらの観点から、強固で、明確な事前規制ルールを推奨することとになり、それは、二つの介入のカテゴリーになるとして、

  • 強制力のある行動規範は、重要なオンラインゲートウェイに対して市場支配力を持つプラットフォームの行動を規制することで、競争を保護することを目的としています。
  •  競争促進のための様々な介入は、市場支配力の原因に対処し、競争とイノベーションを促進することを目的としています。

と推奨しています(73)。

この二つは、機能が異なっており、強制力のある行動規範は、「戦略的市場地位”SMS” strategic market status」(Furman Review)を占めるプラットフォームに対して適用され、競争への阻害効果に対抗するものである(74)のに対して、競争促進介入は、これに対して、「競争」を促進するために、市場支配力の源に対処しようというものである(75)。これらの介入策のための機能を有する機関をデジタル・マーケット・ユニット(DMU)と呼ぶこととした(76)。

強制力のある行動規範

デジタル広告によって、構築されている戦略的市場地位を占めるプラットフォームの行動を支配するための行動規範が推奨されている(77)。 戦略的市場地位を有するプラットフォームを決める基準が求められているが、グーグルとフェースブックが指定されることをCMAは、期待している(78)。規範は、立法的な基盤を有刺、SMS企業の決定を停止し、ブロックし、覆すことができる権能を与えており、規範には不遵守の場合の罰金を定めること(79)、規範は、公正な取引、開かれた選択、トラストおよび透明性という目的に基礎を置くこと(80)、戦略的市場地位プラットフォームは、それ自身で、行動規範を定めることがてきること、より詳細なガイダンスが公表されること(81)、このコードは、競争法、消費者法、データ保護法における既存の事後的な執行手段と比較して、より広範な懸念事項を総合的にカバーできること、懸念事項が競争上の弊害となる前に、より迅速に対処できること、救済策と救済策の設計に重点が置かれること、そして、プラットフォームやその他の市場参加者にとって、ユーザーや競合他社とのやりとりにおいて何が許容される行動なのかがより明確になること、というメリットがある(82)。この分野に特化したDMUを設置することで、規制に関する専門知識や理解を長期的に深めることができる(82)。

 競争促進のための様々な介入

これは、参入/拡大障壁に打ち勝ち、市場支配力の源に対抗しようというものである(84)。Furman Reviewは、データ移動性、オープン標準/オープンデータのシステムを推奨していおり、CMAは、その分析に同意する(84)。

その結果、CMAは、データの使用に関する選択肢を提供し、消費者主導のデータモビリティを促進するなど、「データに対する消費者のコントロールを強化すること」 、 ネットワーク効果や調整の失敗を克服するために、「相互運用性を義務付けること」、参入や拡大の障壁を克服するためにデータが価値を持ち、プライバシーに関する懸念を効果的に管理できる場合には、「データへの第三者のアクセスを義務付けること」、 特に市場支配力を利用してプラットフォームがデータを収集している場合には、「データの分離/データサイロを義務付ける」ことを考えている(85)。

また、CMAは、これらに付加して、「消費者の選択およびデフォルトに対する介入」(プラットフォームがデフォルトを設定/選択スクリーンを導入する権限を制約する)、「分離介入」(運営の分離から完全な所有の分離まだを導入する権限)を考慮している(86)。

識別した問題をどのように解決するのか(How would these interventions solve the issues we have identified?)

検索

行動規範については、重要なツールであると認識しているものの、グーグルの市場支配力に対するのに、重大な影響を与えるとはかんがえておよず、むしろ、競争促進的介入が求められると考えている(88)。

検索のデフォルト設定のためにグーグルの支払が最終的には、利用者に還元されているとしても、競争が弱いことによる検索広告を利用している物やサービスの価格の上昇などのコストの法が重大であり、DMUが、Googleがデフォルトポジションを確保する能力を制限し、デバイス上のデフォルトポジションの収益化を制限し、選択画面を導入する権限を制限銑ことを推奨する(89)。

また、DMUが、Googleに対して、クリックしてクエリーデータを第三者の検索エンジンに対して、サーチアルゴリズムを向上するのに利用できるように、提供するのを求める権限をもつべきであると考えている(90)。

ソーシャルメディア

行動規約の下では、フェイスブックが相互運用性の削減を提案し、ライバル企業がフェイスブックと直接競争する能力を制限する場合、DMUが介入する重要な役割もあると考えられる(91)。 DMUに相互運用性を義務付ける権限を与えることを提言する。相互運用性の向上を求める介入には、ネットワーク効果を克服することによる競争力と消費者の利益、サービスの均質化やプライバシーへのリスクによる潜在的なコストなど、多くの検討事項のバランスをとる必要があります。我々は、特定されたネットワーク効果の克服に直接役立つ機能、高度に革新的ではない機能、プライバシーの懸念を効果的に管理できる機能に関しては、相互運用性を求めるケースが多いと考える(92)。

CMAは、コンタクトの検索と相互投稿機能に関連して相互運用性を高めることを義務付ける強いケースがあるが、コンテンツの完全な相互運用性など、より野心的な形態の相互運用性を支持する証拠は今のところないということである(93)。ソーシャルプラットフォームは急速に進化しているため、考慮すべき点のバランスは時間とともに変化する可能性が高く、DMUは継続的に消費者の利益を実現するための適切な相互運用性の形態を判断するのに適した立場にあると思われる。

データに対する消費者のコントロール。

CMAは消費者のデータに対するコントロールのバランスが、プラットフォームに有利になりすぎている(94)、選択肢を提供しているプラットフォームは、消費者がこの選択肢を行使することを困難にするデフォルトと選択肢のアーキテクチャを使用していること(94)と考えています

これらの懸念に対処するために、我々は、消費者が合理的に行使することが期待できる方法で、消費者のデータの使用に関する真の選択とコントロールを与えることをプラットフォームに求める2つの介入策を導入する権限(選択要件救済、「デザインでの公平」義務)をDMUに与えることを提言する(95)。

SMSを有するプラットフォームは、市場支配力を持ち、最も多くの消費者データを保有し、最も多くの消費者に利用されており、消費者が利用を避けることが最も困難なプラットフォームであること(96)、選択要件救済では、プラットフォームは消費者に対し、パーソナライズされた広告を含まない基本サービスの選択肢を提供することが求められ、消費者がパーソナライズド広告を受け入れるためのインセンティブを消費者に提供することができること、デザインによる公正義務は、プラットフォームに対し、消費者の自由で十分な情報に基づいた選択を促進する方法で選択アーキテクチャをデザインすることを要求する。この義務は、実際に消費者に意図されたサポートを提供することを確実にするために、厳格な試用、試験、監視体制の対象となる(97)。

デジタル広告における利益相反と市場支配力の悪用

行動規範は、私たちがデジタル広告において確認した幅広い懸念事項に対処するための効果的なツールになると考えています。例えば、「公正な取引」の目的では、コードは、オークション操作の可能性、特に自動入札などでプラットフォームが入札者に代わってかなりの裁量権を行使する場合の懸念に対処するために使用することができます。「開かれた選択」の目的では、コードは、検索広告やアドテクノロジーの仲介における自己参照の懸念に対処するために使用することができます。例えば、プラットフォームに対し、他の仲介業者を利用する第三者よりも自社の顧客を優先しないよう求めることができます(98)。

また、CMAは、オープンディスプレイ市場に「分離とアクセスの介入」を導入する権限を持つことには強い根拠があると考えています。グーグルのパブリッシャーアドサーバー、SSP、DSPの強力な地位と、グーグルの広告在庫へのユニークなアクセスは、これらの事業者がそれぞれ潜在的に利益相反に直面し、広告主側、パブリッシャー側、グーグル自身のアカウントで行動する可能性があることを意味している。CMAは、その分析に基づいて、オープンディスプレイ広告におけるこれらの懸念に対処するために

  •  広告サーバーが市場支配力を持っている場合には、広告配信機能を広告助言機能(DSP)から分離すること
  •  DSPの在庫がDSPの市場支配力を生むほど重要である場合には、DSPが在庫へのアクセスを制限することを禁止すること。

という2つの大まかな介入形態が必要であると考えている(99)。

 DMUは、所有権の分離と運営の分離を実施し、合理的な条件でインベントリへのアクセスを提供することを当事者に義務付ける権限を持つべきであると提言しています。この分離には完全な所有権の分離、経営上の分離や共通の所有権の下にある異なるビジネス間の「ファイアウォール」を含む運営上の分離、あるいは、仲介会社が一つの取引の両サイドで行動することを許されないような、利益相反に直接的を絞った制限など様々な形態があります(100)。

分離権の行使を検討する際、DMUは、介入のコストと、イノベーションやより効果的な競争による消費者の利益とのバランスを考慮する必要があること、また、所有権分離が高度に介入的な救済策であることを認識しており、DMUは、英国がこの分野で一方的に行動することの実現可能性を検討する必要があること(101)が指摘されています。

デジタル広告におけるデータアクセスと透明性

CMAのデジタル広告市場においての懸念事項は、データに関するもので、価格設定や広告検証など、デジタル広告の基本的な機能の多くは、透明性や情報の非対称性の欠如を特徴とすること、ターゲティングやアトリビューションのためのデータへのアクセスに差があることが、デジタル広告への参入や拡大の大きな障壁となっていること(102)です。

料金および検証データの透明性を高めることが必要であり、料金に関しては、アドテクノロジーの仲介者が請求する料金に関するデータを契約当事者に提供することは、グッドプラクティスであること、平均料金やテイクレートに関するデータをより広く公開することは、市場参加者に一定の信頼性をもたらすことができること、DMUは取引IDを導入する権限を持つべきであるが、潜在的なプライバシーの懸念を回避するために、そのような取引IDをどのように設計できるかを評価するために、DMUによる更なる作業が必要であることが論じられています(103)。 検証に関連して、グーグルとフェイスブックは、グーグルとフェイスブックが所有・運営するインベントリ上で購入した広告について、独自の独立した検証を行うために必要なツールまたは情報へのアクセスを広告主に提供し、GDPRの要件と一致する方法でこれを確実に行うために必要な契約上の取り決めを確保するよう、すべての側が取り組むべきであること(104)とされています。

CMAは、以下の3つの介入形態を特定し、ターゲティングとアトリビューションのためのデータへのアクセスをより平等にすることで、デジタル広告市場の競争を改善しようとしています(105)。

  •  データ分離(またはデータサイロ)介入:プラットフォームがエコシステム内で特定のカテゴリーのデータを組み合わせることを禁止する
  •  ユーザーIDおよびデータアクセス介入:市場参加者が自身のデータに割り当てることができる安全な共通デジタルIDの作成を提供する
  • データアクセス介入:プラットフォームが第三者に特定のカテゴリーのデータへのアクセスを提供することを要求する
  •  データモビリティ介入:消費者がプラットフォームが保有するデータを他の当事者と共有することを可能にすることで、潜在的に競争を促進し、消費者のデータに対するコントロールを強化する。

上記の介入手法は、効果的なターゲティングやデータ保護、プライバシーへの潜在的な影響という点では異なること、例えば、データの連結が参入や拡大の大きな障壁となる場合、データが市場支配力の行使によって収集された場合、プライバシーに関する懸念が大きく、データの連結による効率的な利益が限られている場合などには、データ分離が最も適切であると考えられること、ユーザーIDとデータアクセスの介入のケースでは、データを共有することで利益が得られ、プライバシーの懸念は集計や匿名化によって管理することができること、介入方法の可能性は、ICOとの共同作業の提案の主要な焦点となっていること(106)が論じられています。

4 市場調査とCMAのさらなる作業に関する決定

CMAは、市場調査を開始すべきか、強制力を行使すべきか、デジタル市場タスクフォースの作業をどのように進めるか、ICOとの共同作業、国際的な提言と協力などについて慎重に検討した。これには、が含まれています。

市場調査基準の決定

CMAが市場調査を行う際には、必ず市場調査を開始するかどうかを検討する法的義務があこると、市場調査を行うことで、CMAは、特に、命令作成権を通じて関連市場に直接介入することができることがあります(108)。2019年12月の中間報告において、GoogleとFacebookがそれぞれの市場で高度な市場支配力を持ち、その結果、消費者が大きな損害に直面していること、また、市場調査を行うための法定テストが多くの関連市場で満たされていることを指摘したものの、CMAは、暫定的に、規制改革のための政府への提言が我々の懸念に対処する最善の手段であるという理由から、市場調査を開始すべきではないと判断しました(109)。

しかしなから、諮問事項の回答では、多くのステークホルダーは我々が市場調査を行うことを強く主張したこと、CMAの見解は、法律で定められた基準を満たしていること、今すぐ市場調査を開始すべきではないものの、近い将来、規制改革へのさらなる支援に注力すべきであるという結論に達したことがふれられています(110)。

その後、2つの重要な進展があり、そのひとつは、政府がFurman Reviewの戦略的提言を受け入れたこと(111)と このような動きは、本報告書で提案したような介入策を実施・施行するためには、競争促進を目的とした新たな規制体制が不可欠であるという我々の結論と一致していること(112)がふれられています。このような体制は、法律によって実施される必要があり、本報告書およびその後のデジタル市場タスクフォースを通じて、政府がDMUに割り当てるべき権限について詳細かつ実践的な提言を行うことで、このような法律を最大限に支援できると考えています(113)。

いま一つは、COVID-19のパンデミックにより、CMAだけでなく、多くの関係者に大きな混乱が生じたことです(114)。現在の経済の混乱を考慮すると、現段階で市場調査を開始することは適切ではなく、また消費者の利益にもならないと考えていること(116)です。

執行行動

CMAはデジタル分野における執行事例の可能性を積極的に検討していること、さらにデジタル・プラットフォームがその市場力を利用したり、その他の反競争的行為に関与している例を引き続き検討し、反競争的行為の証拠を確認した場合には、強制措置を講じる準備をしています(116)。

デジタル・マーケット・タスクフォース

本報告書の中で政府に対して行った提言は、新たな競争促進体制の確立に向けた大きな一歩となること、しかも、CMAの活動はこれで終わらないこと(117)。 CMA は、新体制の次のステップとして、デジタルプラットフォーム市場における競争とイノベーションを促進するために必要な措置について専門家の助言を提供するために政府から委託されたデジタル市場タスクフォースの作業を主導すること(118)、タスクフォースの範囲は、デジタル広告で資金調達していないものも含め、すべてのオンラインプラットフォームに拡大されること(119)、 CMAは、本日、意見募集を発表し、この作業を正式に開始すること(120)がふれられています。

情報コミッショナーズオフィス(ICO)との連携

CMAは、競争法とデータ保護法の接点に関する問題や、我々が提案しているいくつかの介入策の設計・開発の可能性について、ICOと建設的に関わってきたこと、競争力のある市場を促進し、消費者に力を与え、個人のプライバシー権を保護するための継続的な共同作業プログラムの一環として、ICOとの積極的な協力関係を築いていくこと(121)、継続的な作業には、デジタル広告市場における競争とデータ保護規制との相互関係について、本調査で検討された問題を継続的に検討することが含まれること、また、我々が提案している「デザインによる公平性」への介入と、それがデータ保護規制の下での「デザインによるデータ保護」義務をどのように補完するかについての考えをさらに深めること、データ関連の救済措置が本調査で検討した以外の他のデジタルプラットフォーム市場にどのように適用されるかについても検討したいと考えること(122)が述べられています。

国際的なパートナーとのアドボカシーと協力

123. 市場調査を通じて、CMAは他の国際的な当局と幅広く連携しています。これには、フランス、ドイツ、スウェーデンなど、デジタル広告に関する同様の市場調査を行っている国の当局、オーストラリア、ドイツ、日本など、プラットフォームに対する事前規制の提案を行っている国、米国や欧州委員会の当局など、デジタル広告に関連して最近完了した、または進行中の強制捜査を行っている当局との話し合いが含まれます。このような国際的な取り組みは、デジタル・プラットフォームがもたらす世界的な課題について、問題点や潜在的な解決策に関するコンセンサスを得るために不可欠であると考えています。 124. 市場調査の完了後、CMAは、デジタル広告によって資金調達されたオンラインプラットフォームに関連する懸念に対処する方法について、国際的な議論に情報を提供することを継続します。具体的には、セミナーや二国間・多国間での取り組みを通じて、本報告書に記載した知見を広め、OECDや国際会議などの場を通じて、事前規制の必要性を積極的に訴えていきます。また、デジタル広告市場の問題を調査しているすべての執行機関と緊密に協力し、我々が学んだ知識や調査技術を共有しています。

5政府への提言

CMAは、

政府は、デジタル広告を資金源とするオンラインプラットフォームに関する本研究の成果と、取引を資金源とするオンラインプラットフォームについても検討する予定のデジタル市場タスクフォースの成果を活用し、コードと競争促進のための介入の両方からなるプラットフォームの新たな規制体制を導入するための立法を行うべきである。

とします。、そして、その具体的な内容としては、

提言1:戦略的市場地位(SMS)を有すると指定されたデジタル広告によって資金調達されたプラット フォームの行動を規定する強制力のある行動規範を制定する。この行動規範の目的は、公正な取引、開かれた選択肢、信頼と透明性という3つのハイレベルな目的を満たすことである。

提言2:SMS指定を行うDMUの要件を確立し、法律に定められた目的に基づいてコードを導入・維持し、詳細な支援ガイダンスを作成する。

提言3: DMUに、コードの原則をタイムリーに実施し、進化する市場の状況に合わせて原則を修正するために必要な権限を与える。

提言4:DMUに競争促進のための様々な介入策を導入するために必要な権限を与える。

 

となっています。

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35頁以降が本文となります。これらについて細かい分析するのは、別の機会となります。上の概要で、記載されているところに思えます。

概観
消費者サービスにおける競争
データに対する消費者のコントロール
デジタル広告の競争
弱い競争からの消費者へのハーム
競争促進規制レジームの事案
検索、ソーシャルメディア、デジタル広告への介入
市場調査参照の決定
今後のCMAの作業

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もっとも、個人的な興味から興味深いのは、431頁の国際的な動向についての紹介です。翻訳してみます。

オーストラリアでは、政府がACCC内にデジタルプラットフォーム市場における競争と消費者保護を積極的に執行、監視、調査するための特別部隊を設置し515、デジタルプラットフォームとメディア企業の商業的関係を規定する義務的な行動規範の作成をACCCに要請しました516 – ドイツでは、国の競争当局であるBundeskartellamtが、プラットフォームが「市場全体の競争にとって最重要な意義を持つ」場合に、プラットフォームを支配的な存在として指定する能力を持ち、Bundeskartellamtがプラットフォームが様々な行為を行うことを禁止する権限を持つことを提案する法案があります517。 – 日本では、政府が2019年9月に「デジタル市場競争本部」を設置し、デジタルプラットフォーム事業者との取引の透明性やプライバシーの保護に関する議論を促進することを目的としている518。2020年6月には、デジタルプラットフォームに事前規制を適用することを提案する中間報告を発表している。 – ベルギー、オランダ、ルクセンブルグの各国競争当局は、事後的な取締りに頼るのではなく、競争上の問題を防止するために競争当局が支配的な企業に相応の救済措置を課すことができるツールを提案する共同メモを発表した519。 – 欧州委員会は、「市場の開放性と公平性を確保するために、必要に応じて事前規制を含めて、プラットフォームやデータに関するよりシステミックな問題に対処する最善の方法」を検討している520。提案されている規則は、こうした市場の不均衡に対処し、消費者が最も幅広い選択肢を持てるようにし、デジタルサービスのEU単一市場が競争的で革新に開かれたものであり続けるようにすることを目的としています521。これとは別に、ECは現在、デジタル市場を含む構造的な競争問題をタイムリーかつ効果的な方法で是正することを可能にする、新しい市場調査ツールの可能性についてコメントを募集しています5。

また、データ保護法との関係、介入方法とデータ保護との関係、情報コミッショナーとのやりとりも興味深いです。

特に、プライバシーサンドボックスとの関係については、10.21で論じられています。

具体的には、この作業の重要な要素は、Chrome でのサードパーティ Cookie の段階的廃止に関する Google の提案と、Chromium ブラウザでの Privacy Sandbox の提案の開発に、今後 18 ヶ月の間にどのように対応し、関与していくかという点にあります。例えば、ターゲティングとアトリビューションに関するグーグルの提案された代替案が市場参加者にとってどの程度適切か、ターゲティングとアトリビューションに関するこのようなブラウザに特化したアプローチが競争上の懸念を引き起こすかどうか、もしそうであればどのように対処できるか、また、統合されたプラットフォームがそのエコシステム全体でターゲティングとアトリビューションのためのデータを共有する能力に対する制約を並行して検討する必要があるかどうかを検討したいと思います。私たちは、これらの提案がプラットフォームやウェブ標準コミュニティで開発・テストされるのを引き続き監視していきます。

また、「デザインにおいて公平」介入が、消費者の情報を与えられたコントロールを推進するのに発展するかということ(10.22)、データ関連の救済が、消費者が直面しない問題にも適用されうるか、とういことも情報コミッショナーと協力すべきことがふれられています(10.23)。

さらに四つ目の論点として

競争政策、消費者政策、データ保護政策は、社会の利益のために個人の福祉を促進するという類似した広範な目的を持っていますが、これを達成する方法は異なる場合があります。今回の市場調査で得られた知見をもとに、他のデジタル市場においても、これらの目的を達成するためのプロセスについて協力する余地があると考えています。

課題としては、例えば以下のような市場横断的な機能の役割が挙げられます。

– デフォルトの使用(データの過剰収集につながる可能性がある)

– 時間の経過とともに消費者の選択を尊重していないように見える制御メカニズム(例えば、「オプトイン」を繰り返し要求するなど)

– 消費者のデータを過剰に収集するように設計されているように見える選択肢の提示。

が注目されます。

そこで、この報告でもふれられたプライバシーサンドボックスに対する調査の問題に次第に焦点が合っていくことになります。

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