労働法と独占禁止法

法律に基づかない独占禁止法の適用除外(Non Statutory Labor Exemption)という理論があることをお勉強しました。

米国法の観点からすると、労働組合法は、独占禁止法の例外規定としてできてきたというのを27年前に勉強して納得したことがあります。資本主義の理論のなかで、労働組合法をどう位置づけるかということで、(故)田辺公二先生(裁判官)の「労働粉争と裁判」 を読み込んでいました。

日本の労働組合法もそのような流れで解釈されるべきと思っています。が、大成観光事件(リボン闘争ね)とかの判例の整理で、労働市場の閉鎖が許容されるのと、政治的なスローガンは、全く別という整理の理論は、でてきていないのでしょうかね。(97年くらいから労働事件は、やっていないのでフォローしていないです)

サイバーセキュリティー人材、共同雇用する構想

「サイバーセキュリティー人材、共同雇用する構想 」という記事が出ています。

この記事をいつもの情報セキュリティという視点(このような場合は、ITリサーチ・アートのほうに書きます)ではなくて、独占禁止法の問題としてみてみましょう。セキュリティ専門家の雇用という市場において雇用主が、その労働条件等について合意をなすことは、カルテル的な意味を持ちます。効果としては、報酬の低下、結果として、当該分野の魅力の低下を引き起こします。

では、これが、独占禁止法上、違法になるかということから考えると、グーグル・アップルの引き抜き禁止協定についての記事が参考になります。「米IT大手の「引き抜き防止契約」日本では許される?」という記事です。

この記事は、しかしながら、労働市場について、独占禁止法って適用されるのかな、という点について検討しておくべきだったように思います。

この話は、米国のドラフト制度の議論が参考になります。その点については、こんな記事もあります。「日本スポーツ法学会・第2回スポーツ契約等研究専門委員会にて研究発表」ですが、「法律に基づかない独占禁止法の適用除外(Non Statutory Labor Exemption)」という理論が紹介されています。

労働法と独占禁止法については、別の投稿にしますが、安易に市場閉鎖の発想が出てくるところに、問題があるなあ、感覚が、古いよね、という感想を持ちましたね。