世界情報基盤

懐かしい話といえば、GII 世界情報基盤という本も自炊しようと思っています。

 

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NII アジェンダというのは、きわめて意味が大きかったので、由緒正しいネットワーカーは、いまだに、クリントン・ゴア政権と呼んでいますね。

ロボットのスタートアップがおかしがちな法律トラブル

ロボットのスタートアップがおかしがちな法律トラブル」という記事がでています。

原文は、こちらになります。

法律専門家の見地からすると、大体は、常識的なところではありますが、4項の具体的な規制には、注意するようにというのは、興味深いです。

 FDA(食品医薬品局), FAA(航空局), FTC(取引委員会) or state lawsとか書いてあって、FDAが最初にあるのはなぜとか考えたら、ロボット手術の監督が、食品医薬品局だそうです。

 

6次の隔たり

「6人たどれば世界中の人々とつながる! 社会を動かす「六次の隔たり」を俳優ケヴィン・ベーコンが解説」

(http://logmi.jp/26343)

世の中のデータは、みんな識別可能な人につながっているよ、それは、コストパフォーマンスで、つなげようとしないからだよ、という説明で、このケビィン・ベーコンの話をよく出します。

個人情報の説明で、みんな識別「可能」か否か、は、当然に峻別できると議論しているようにおもえていて、このケビィン・ベーコンの話とWG29の報告書(EU article 29 Data Protection Working Partyの「Opinion 4/2007 on the concept of personal data」(wp136意見書))を紹介するのですが、なかなか理解されませんね。

代表的な映画は、フットルースです。

法執行との関係

刑事事件においては、証拠能力自体について、厳密な定めがあります。

この点については、わが国の証拠法制に関して、また、別の機会で投稿しましょう。

厳密な学問的な議論はさて置くとしても、刑事事件において、米国でおこなわれているようなデジタル・フォレンジックスの手続に則って証拠が収集・分析・提示されるのが望ましいのは、いうまでもありません。そして、わが国においても、実際にそのような方向で実務が整備されつつあるということができます。

もっとも、厳密にデジタル証拠に関して、伝聞証拠法則との関係で、どのようなことがいえるか、ということは法的に重要なことである。

これらの点については、大学の後輩でもあった石井教授の資料を参照されるといいと思います。石井徹哉「刑事法からみたデジタルフォレンジックス(DF)と今後の展望」があります。

ハッカー検事が大学の先輩、石井教授が、大学の後輩で、みんな大学の時代からの知り合いというのも世界は狭いものです。

ソフトウエアフォレンジックス

ソフトウエアの挙動を分析して、作成者の意図、動作、脆弱性の存在、実際の動作の仕組み、結果の発生の因果などの情報についての収集、加工、統合、分析、評価、解釈をする分野をソフトウエアフォレンジックスということができます。

このような作業のために利用されるのが、リバース・エンジニアリングという技術です。「リバースエンジニアリング」は、最広義においては、ソフトウエアやハードウエアなどを分解、あるいは解析し、その仕組みや仕様、目的、構成部品、要素技術などを明らかにすることをいうとされています。この技術の重要性および社会的位置づけについて、私の経営している会社でIPAからの委託をうけて研究していますので、紹介しておきます。
「情報セキュリティに関連するソフトウェアの取扱いに係る法律上の位置付けに関する調査」です。

ソフトウエアの作者の意図が法的に問題になりうることは、意外とありうるということがいえるでしょう。

例えば、サイバー犯罪条約6条1項 デバイスの禁止は、

「1 締約国は、権限なしに故意に行われる次の行為を自国の国内法上の犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
a 第2条から前条までの規定に従って定められる犯罪を行うために使用する意図をもって、次のものを製造し、販売し、使用のために調達し、輸入し、配布し又はその他の方法によって利用可能とすること。 」と定めています。この文言からも明らかなように、プログラムが、犯罪を行うために使用する意図をもって作成されなければならないのです。

また、我が国では、Winny作者が刑事罰に問われたという裁判でも、どのような意図で作成されたのかが問題とされました。

第一審(京都地裁判決・平成18年12月13日)では、被告人と関係者間のメール送受信の状況等として姉とのメールのやりとり、ホームページでの記載事項、事情聴取の際の発言をもとに、「被告人自身が述べるところやE供述等からも明らかなように,それ自体はセンターサーバを必要としないP2P技術の一つとしてさまざまな分野に応用可能で有意義なものであって,被告人がいかなる目的の下に開発したかにかかわらず,技術それ自体は価値中立的」という認定がされています。

高裁判決(大阪高判・平成21年10月 8日)では、匿名性機能、ダウンロード枠増加機能、クラスタ化機能、被参照畳閲覧機能、多重ダウンロード幾能などの機能は、ファイルの検索や転送の効率化を図るとともにネットワーク-の負荷を低涙させる機能,技術であり.その機能自体において.違法視されるべき技術でないということを理由に、「その技術.機能を見ると著作権侵害に特化したものではなくW innyは価値中立のソフトすなわち.多様な情報の交換を通信の秘密を保持しつつ効率的に可能にする有用性があるとともに、著作権の侵害にも用い得るという価値中立のソフトであると認めるのが相当」と判断しています。

Winnyは、作者がどのような意図で、どのようなコードを書いたのかという観点からするとき、事実認定としては、コードそれ自体を巡って争われたわけではない、というのが、事実究明という点からは、残念に思えます。もっとも、コード自体を争った時には、公開される裁判を通じてWinnyのプログラムが一般に明らかになるということもあったのもしれません。

小説については、その文章をもとに、その作者の意図を論じるのであるから、ソフトウエアについても同様のことがなされるべきではありますが、実際には、いろいろいな困難があるということでしょうか。

インターネットフォレンジックス

ネットワークでのトラフィックの分析等によりサイバースペースの脅威に関する情報の収集、加工、統合、分析、評価、解釈をする行為をインターネットフォレンジックスということができるでしょう。そのような情報の統合的理解をする分野もフォレンジックの有望な分野であるということができます。

サイバースペースの脅威に関する情報の収集、加工、統合、分析、評価、解釈自体は、サイバーインテリジェンスということができますが、それを、法的証拠という視点から見るときの用語であるということができるでしょう。

これらの分野には、ウィルス作成者やハッカーの行動や議論を追跡すべく、アンダーグラウンドの彼らのコミュニティにいわば「潜伏」して、彼らの情報に対して諜報活動を行う手法もあります。かれらのデータ通信をモニタリングし、また、会議などもモニタリングしています。

これらの活動によって得られた情報は、きわめて鮮度の高い情報ということになり、予測・予防・調査のために役立てられる程度はきわめて大きいということができるでしょう。しかしながら、我が国において、これらの手法の重要性は、看過されているということができるでしょう。私は、2000年代前半に、このようなサービスを提供しているアメリカのプロバイダにインタビューしたところ、日本だけは、進出に失敗した、需要を全く喚起できなかったということをきいたことがあります。

訴訟支援

フォレンジックスという技術は、証拠の取得や分析一般などまで広がるものであり、一般に訴訟支援といわれる分野となってきます。

e-ディスカバリーの分野とも関連しており、これらの分野は、フォレンジックスという分野の外縁をなしているということができるでしょう。

大まかにいえば、ひとつの事案を取り巻くデジタルデータが、細かいところまでみていくのが、フォレンジックス、大きく見て、関連しているものを早急にみつけだして、その中身を分析するのが、e-ディスカバリーのイメージしもしれません。(これは、大雑把なイメージなので、正確ではありません)

EDRM(e-discovery リファレンス モデル)が公表されており、膨大なデータから、特定の事案に関連するドキュメントを抽出する作業の標準的な手順が標準化されています。

この具体的な内容については、また、詳しく投稿しますが、この分野が、現在、きわめて大きなビジネスとなりつつあることは留意しておく必要があるでしょう。